丹生鳥野さんの投稿小説

宇宙の意識

(6) 

2024/04/21



「ところで上保君は素粒子の事を知っているとおもうんだけれど・・・」

「一応勉強したんだけれど、正しく理解したか疑問だね。」

「僕も正しく理解していると言い難いけれど、僕の理解の範囲で説明する

から僕の話が怪しいと思ったら後で自分で調べてくれよね。

 

量子というのは矛盾の見本だ。

常識的に考えたらありえないことばかりなんだ。

でも常識というのは非常に疑わしいけれど・・・。

量子というのは文化省の説明ではこんなことが書いてあった

 

>>量子とは、粒子と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネル

ギーの単位のことです。物質を形作っている原子そのものや、原子を形作

っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表選手です。

光を粒子としてみたときの光子やニュートリノやクォーク、ミュオンなど

といった素粒子も量子に含まれます。
<<

 

パソコンに使われている集積回路のチップ、ほら、ICチップというだろ。

ICチップは量子論の技術の塊なんだ。

素粒子で騒がれたのは、「ニュートリノ」だ。

日本がニュートリノを世界で初めて確認してノーベル賞を受賞しただろう。

それ以来、ニュートリノ天文学と言う分野が出来ている。

それから、検出不可能と思われていた「素粒子に質量を与えるフィグス粒

子」が少し前に確認された。

 

最近、太陽パネルで発電するという話があるだろ。

太陽パネルでなぜ電気が発生するかだよね。

実は光と言うのは文化省の説明の様に、量子に含まれる素粒子なんだ。

量子というのは変な性質を持っていて、『粒』=『波』だというんだ。

粒と波とは相容れない概念だろう。

早速、我々の常識では矛盾する概念が出てきた。

例えば中学ぐらいで習ったのかな、

光の屈折というのは光が波だからだよね。

所が一方で光は粒なんだ。

太陽パネルで電気が起きるのはあるエネルギーをもった光の粒がパネルに

当たると電子がとびたして電流がながれる。

だから光は、『粒』=『波』なんだ。

 

今、世界中で量子コンピュータの開発競争をしているだろ。

ミクロの世界は変なんだ。

一つの素粒子が同時に逆の性質を持っているなんてありえないと普通は思

うんだけれど、量子の世界ではこれが普通なんだ。

 

それから量子の世界では究極のゼロと言うのはないんだ。

数学では(+1)+(-1)=(0)だろう。

ところが量子の世界では究極のゼロというのはないんだ。

だからゼロの世界が揺らいでいて、あるときゼロでない瞬間があるんだ。

ゼロの世界からゼロでない世界がうまれるということになるんだ。」

 

                           (つづく)






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