下宿住まいの頃 2024/04/25 |
銭湯への道すがら、小さな一軒家があった。 夏の暑い日、日が落ちて風が吹き少し過ごし易くなった時間にその家の前 当時は越中ふんどしは珍しい姿ではなく、徴兵検査の写真では全員が越中 たから、一雄にとってふんどし姿は珍しくなかったのだが、今住んでいる 老人の一人は日に焼けて褐色がかった艶々した肌をしており、大柄で肉体 そして、もう一人の老人も肉体労働をしているような感じだが、色白で中 がっちりタイプの老人はもう一人の老人よりかなり年上の様なのだが、二 一雄は銭湯に行く途中の小さな家の前で見かけた越中ふんどしの小柄の老 彼は少し前までそれほど汚れていない越中ふんどしをしめていたのだが、 それまで、彼は湯船に浸かって壁に描かれた松原と海を隔ててそびえる富 しかし、最近、脱衣室の「洗濯おことわり」の張り紙を無視して、汚れた 最近、一雄が脱衣室で体を拭いている時、湯から上がっていた老人が一雄 銭湯に行く時間に必ずその老人がいた。 なにか意図があるのかもしれないと、時間をずらして銭湯にいったがやは 時間帯を変えても彼の家の前を通るから、彼には一雄が銭湯に行く時間は しかし、ふんどしをしめない裸の姿で一雄に向かって立っているのは解せ |