股爺さんのエッセイ №368

 ノンケ爺  一線超えちゃ危ね危ねえ

 (1) 八つ歳上の大先輩

2024/04/24



完全リタイして、3ヶ月目に「亭主留守で元気が良い」と気づいたか、山の

神がスポーツ倶楽部行きを盛んに勧めるので、テイの良い粗大ゴミ追い出

し作戦とは知りながらも乗せられて、しかしタイプとの出会いや目の保養

を期待する下心がシッカリ湧いてきて、平日の昼会員に登録してから、早

いもので
12年目に入りました。

 

2年目辺りから親しくなった八年先輩爺さまとは、大切な肝胆相照らす仲?

なんて言ってみたくなる間柄になり、時に
大先輩をおちょくり、タメ口を

きき、ヨイショし、その都度頭をコツンとやられたり、脇腹をキツく抓ら

れ、ややM的快感を覚え、定期的に3〜
4人で催す飲み会では酔いが回った

ドサクサに紛れて頬ッペにチューしたり、お開きになり店の外で会計係を

待ってる間に舌を入れてしまったことも。但し決してお股は触らぬ理性は

残る。

 

ところで、この先輩爺さまは「ス」の字がつくほどの大のご婦人好きで、

出来ちゃった婚、スタジオで躍動する欧陽菲菲風スタイルの元娘っ子に見

とれ、こっちのケは全くなさそうで、「元気なうちに二人でソーブに行き

ましょうよ!」なんて心にもない事を言って、わが性癖をカモフラージュ

するつもりの浅はかさ。

 

ジムではマシンに座りウエイトを掛け、目を閉じて、歯を食いしばってる

先輩の後ろに回り、耳の後に桃色吐息をふ~と吹きかけ「アキオさん(仮)!

好きッ」と囁いたら、ぶっ魂消て飛び上がったなんて事もありました。

衣装持ちの先輩なので、先般はブランドの着古しウエアをねだったら、早

速派手目で着なくなったモノをラグビー・ノーサイトの時のように頂き、

これを我が寝床で着たり股に押しつけたり、頭に被り、洗濯後も撚り糸の

隙間に留まる残り香を嗅いでいるなど、誰が知ろう。

 

そして先週、プールの様子を階上のガラス越しに見物するアリーナに立っ

てる先輩を発見し、後ろっからソロリ
ソロリと近づいて、そっと我が両手

のひらを前に回して先輩の両目を軽く塞ぎつつ「だーれだッ!!」をやっ

てしまいました。

 

先輩は魂消るも、こんなコトする奴は他に居ないと、呆れ、やがて笑いだ

し何んとも言えぬ表情を為さり、「バカっ!」と一言。一線をわずか越え

たかなぁとも思い、しかし背中からキツく抱きつきたい衝動は辛くも抑制

し、これが一線を超えたか超えぬか、危ねえ危ねえ、しばらく控え気味に

しなくっちゃ。

 

                           (つづく)






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