股爺さんのエッセイ №368

千三つ億三つ本理想遥か  

2024/04/21



若い頃、本理想に巡り合うのみならず、 本理想同志のカップルになるの

も、いつの日か、夢ではないと思っていたかもしれません。しかし、ここ

まで歳をとり、先が見えて来れば、宝くじに期待することが無くなったよ

うに、相互に本理想同志で結ばれるなんて事はおろか、本理想との一方通

行でさえ現実的でなくなって来ました。

 

週末、北関東某県にある我が郷里の実家の裏庭に建つ爺 (オトコ) の隠れ小屋

にて、悶々としつつも寛いていると、利根川を隔てた隣町の団塊世代の友

から
LINE電話が入り、「ようやく暇が取れたので、午後から朝まで一晩飲

み明かそうや!」と相成り、悶々としてたことを知ってか知らぬか、軽ト

ラ駆ってやってきました。

 

お互いに本理想と思っては居ないのだろうけれど、憎からず想い慕い合い、

ウマも合い、呑み語り触れるも楽し、青い錠剤の力を借りて曲りなりにも、

交互に一心同体になれる仲。ま、(たぶん)「準理想同志」といった所か。

4辺も有るコタツの一辺に窮屈に並んで飲みながらテレビを観ていて、ニュ

ース、ワイドショー、ドキュメンタリー、ドラマ、
CMなどに登場する殿御

たちを眺めながら、「これタイプ?、これ好み!」とお互いに指させば、

「ウーン、俺はちょっと」と、ほとんど一致することがなく、天気予報士

の南利幸さんと、
LADのロバーツ監督だけ好みが一致。

他にスマホに内蔵の、爺H動画や蒐集画像のどんな作品や爺さまが好

きなの?と披露し合うも、お互いに一致するものが、なかったですね。

 

こうした例をとっても、本理想同志で結ばれるなんて千三つはおろか、億

三つ兆三つさえ難しいかもしれないと思いました。ある程度の好み同志が

ある程度の妥協をしながら、逢瀬を重ねて睦み合ううちに気の遠くなるほ

ど遥かなる本理想同志の道へ向け、コツコツ歩み積み上げて行くといった

トコロか。しかもほとんど途中で挫折したり躓いたり。

本理想とは在るものではなく、二人で創り上げて行くものかも知れません

ね。或いは幸せは灯台下暗し、身近かに在ったという青い鳥伝説みたいな

ものかもしれません。

 

そして、我ら二人はそれぞれ駒ケンに単独で行けば、また二人で駒ケンで

待ち合わせて相い方の振る舞いをしたりする仲なのでした。寂しくもあり、

やはり本理想求める男色者の性癖
(サガ) なのか。このような矛盾と煩悩を

かかえたまま次の逢瀬を約したり、次の単独行動を画策したり・・・。

 

今回もろくすっぽ考えもないくせに、深遠な??話に分け行って、貴重な

お時間を無駄にしてしまい、すみませんでした。お詫びは、今週支給され

た年金さえ使い果たし、(えへへ~週明けの男街徘徊小遣いだけはしっか

り確保の卑怯者!)蓑も実もひとつだに無き哀れな身ですので、山吹の花

一輪かこの粗体しかありませんが、闇夜で目を閉じて本理想と思い込まれ、

弄れば役立つやもしれず、よろしかったらどうぞお持ち帰り下さいませ。

 

                             股






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