はげ坊主さんのエッセイ №146

大地震でパニック  

2024/04/19



417日夜更けに高知県と愛媛県の県境で震度6弱の大地震がありました。

我が家も結構揺れましたが、後でテレビで確認したら我が家のある地域は

震度
3ということのようです。

ただ、体感では震度4程度あったのではないかと思うほど揺れました。

すでに父ちゃんも俺もベッドの中で夢の中で、どちらも揺れていることに

気づかずにぐっすり眠っていました。多分、事件がなかったら朝起きてテ

レビを見て気づいていたのかも知れません。

俺の耳元で突然父ちゃんのけたたましい悲鳴が聞こえました。ビックリで

す。

「ふぎゃぁ〜」

付き合い始めて30年以上経ちますが、こんな変な父ちゃんの雄叫びを聞い

たのは初めてで、当に心臓が止まるかと思うほどビックリしました。

すると悲鳴の後で二人でかけていた布団が引っ張られて、ズドドドド〜ン

と地響きのような音がしました。

本当にビックリして飛び起きると、父ちゃんがベッドから布団ごと落っこ

ちていました。

Hey Siri 照明をつけて」(我が家は、アップルのHomePodを入れています)

と部屋を明るくすると、まだ12時前でした。父ちゃんが布団に丸まったま

まベッドから落っこちていました。『ええええ???』

「父ちゃん、どうしたの?大丈夫?」

と言っている時に揺れを感じました。

「地震?」

「たすけてくれ・・」

「ちょっとまって・・動けないの?」

俺が落ちた父ちゃんの側に行くと、父ちゃんは右手で黒い塊を掴んでいま

した。

「にゃぁ〜〜。にゃぁ〜〜」

見ると、父ちゃんが掴んでいたのは黒猫のゴウちゃん。全然理解できない

状態です。

と、その時父ちゃんが掴んでいたゴウちゃんを、ぽーんと汚い物でも捨て

るように放り投げてしまいました。

ゴウちゃんは、部屋の隅に飛んでいって鳴き止んで、ピクリとも動かずこ

ちらを見て怯えているように見えます。ゴウちゃんと父ちゃんは、普段家

の中にいると、俺が嫉妬するほどベッタリくっついて一緒に遊んでいる仲

良しなので、まさか父ちゃんに酷い仕打ちを受けると思っていなかったゴ

ウちゃんが茫然としているように見えました。

「父ちゃん、大丈夫?」

「ああ、ビックリした。いきなり顔にな、へばりついてきて剥がれないか

らな・・。ゴウだったのか・・」

「ほらっ、ゴウの顔見て・・怯えてんじゃないの?」

父ちゃんがゴウの方に近寄っていくと、いつもの仲良しの雰囲気はなく、

ゴウが父ちゃんから逃げていきます。

父ちゃんが追いかければ追いかけるほど、ゴウが素早く柱の上に行ったり、

台所へ逃げたり、家中逃げ回るのです。

「まさかね、大好きな父ちゃんに投げられるって思わなかったんでしょ」

「寝てる最中になあ、顔に黒いモン突然張り付いてみろ・・ビックリする

だろ」

それからしばらくゴウと父ちゃんの鬼ごっこが始まりました。

俺は、逆にあきれてしまって、走り回る父ちゃんとゴウの2人を横目にテレ

ビの前に座りました。テレビの
NHKを見ると、愛媛県と高知県の県境付近

で震度
6弱の地震だったそうです。

鬼ごっこも佳境を迎え、2人あきてきたらしく、俺の隣に座りました。

 

深夜に素っ裸で家中走り回った父ちゃんが、

「疲れた。おい、風呂入ろうか」

と切り出しました。同棲してから数度目の地震ですが、その度ごとに地震

の直後に何故かお風呂に入る習慣があります。

それから湯船にお湯を溜めている時間、テレビで地震の情報収集し、準備

ができると
2人と1匹はそのままお風呂に入ります。

夕方、お風呂に入って体を洗っているのですが、再びまた2人で洗いっこし

て過ごします。父ちゃんが湯船に浸かると、俺がゴウちゃんの体を洗って

あげます。

湯船にはゴウちゃんは入りませんので、シャワーでゴウの泡を流してあげ

ると、ゴウちゃんは風呂場から出て行きました。

 

我がはげ坊主家では、地震のことよりも、黒猫ゴウの大騒動で一夜が明け

ましたよ。
2人布団に入ったのは結局2時すぎてからです。

そして5時前には起きて、いつもの散歩に出かけました。

今日は、1日眠いです。

 

愛媛と高知の皆さん大丈夫だったでしょうか。

 

                           はげ坊主






トップ アイコン目次へもどる   「はげ坊主さんのエッセイ一覧」へもどる
inserted by 2nt system