ふじさんのエッセイ №14 

  

山菜採り

2024/04/19



 

ポツンと一軒家というほどではないけど、山の中で暮らしています。町に

は車で
30分かかります。そんな生活の中で春の山菜取りがとても楽しみで

す。下見をしておいて天気の様子を見ながら友達を呼んで、おにぎりを持

って出かけます。わらび、タラの芽、こしあぶら、山うど、ふき、最近覚

えた「しどけ」等等、東北の山菜には到底敵いませんが、充分楽しむこと

ができます。帰ったら山菜を囲んで天ぷらパーティとなります。

 

昨日も登山道脇にある秘密の場所まで小一時間坂道を登り、たどり着いた

時にびっくりというかものすごく悲しい気持ちになりました。直径
10セン

チほどのタラの木が腰の高さほどからバッサリ切られて倒されていました。

僕が毎年いただいていて、秘密の場所なので、怒りさえ込み上げてきまし

た。山菜ですから誰の物でもなく、強いて言えば山の所有者のものでしょ

うが、ノコギリで倒すのは犯罪です。これだとこの木は来年は絶えてしま

います。以前にも何回かこんな悲しい思いをしたことがあり、山菜採りの

マナーの悪さにガッカリしています。

 

若い頃はひたすら山頂を目指す登山をしていましたが、今は麓を野鳥の声

を聴きながら道端のすみれ等を眺めながらの山歩きです。切り株に腰をお

ろして考えるのは、一緒に歩いてくれる愛しい人が欲しいなということ。

山道を外れたところで、キスしたり抱き合ったりできたら、ああ、最高!
 

 

                            ふ じ






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